北海道臨床教育学会 会長挨拶

           「釧路」で学び合えるということ
          

                     北海道臨床教育学会会長 庄井良信
                (北海道教育大学大学院・学校臨床心理専攻長)


 人生で出会う「問い」は、すぐに答えの出るものばかりではありません。心揺さぶ    られる問いと出会うと、私たちは、ああでもない、こうでもないと考えあぐね、じっ
と沈黙することしかできないときもあります。また、その問いを信頼できる他者にそ
っと聴きとってもらい、身体と身体を響き合わせるように考え合うしかないときもあ
ります。そう簡単には解決できそうもない問いを抱く自分を受けいれて、自己を世界
へ投企する(自分の人生をかけて決断する)ことを求められる日々が続くこともあり
ます。
 一方、子育てや教育の世界では、「問い」と「答え」のあいだをなるべく近道で探
ることを求められることが少なくありません。教育者として、ぱっと問われて、さっ
と答えられる子どもだけが「えらいね」と褒められる雰囲気にハッとさせられる瞬間
があります。
 北海道臨床教育学会は、かけがえのない人生の「問い」を分かち合い、聴き合い、
語り合いながら、未来への小路(もう一つの可能性)を見いだそうとする教育者・援
助者や研究者が集う学会です。
 今年の大会は、釧路(北海道教育大学釧路校)で開催されます。さまざまな立場の    教育職・援助職の人びとと、多様な専門をもつ研究者たちが、素朴な「問い」を共有    しながら未来を探究しあえるような大会になることを心から願っています。