北海道臨床教育学会 会長挨拶

           「釧路」で学び合えるということ
          

                     北海道臨床教育学会会長 庄井良信
                (北海道教育大学大学院・学校臨床心理専攻長)


 人生で出会う「問い」は、すぐに答えの出るものばかりではありません。心揺さぶ    られる問いと出会うと、私たちは、ああでもない、こうでもないと考えあぐね、じっ
と沈黙することしかできないときもあります。また、その問いを信頼できる他者にそ
っと聴きとってもらい、身体と身体を響き合わせるように考え合うしかないときもあ
ります。そう簡単には解決できそうもない問いを抱く自分を受けいれて、自己を世界
へ投企する(自分の人生をかけて決断する)ことを求められる日々が続くこともあり
ます。
 一方、子育てや教育の世界では、「問い」と「答え」のあいだをなるべく近道で探
ることを求められることが少なくありません。教育者として、ぱっと問われて、さっ
と答えられる子どもだけが「えらいね」と褒められる雰囲気にハッとさせられる瞬間
があります。
 北海道臨床教育学会は、かけがえのない人生の「問い」を分かち合い、聴き合い、
語り合いながら、未来への小路(もう一つの可能性)を見いだそうとする教育者・援
助者や研究者が集う学会です。
 今年の大会は、釧路(北海道教育大学釧路校)で開催されます。さまざまな立場の    教育職・援助職の人びとと、多様な専門をもつ研究者たちが、素朴な「問い」を共有    しながら未来を探究しあえるような大会になることを心から願っています。


北海道臨床教育学会釧路大会のご案内

実行委員長 玉井康之(北海道教育大学副学長)

 来る2018年7月15日(日)・16日(月)に、北海道教育大学釧路校を会場にして、北海道臨床教育学会第8回大会が開催されます。今回の大会テーマは、「『チーム学校』をどうつくるか」です。近年全国的にも「チーム学校」が進められています。この「チーム学校」は、学校内のチームだけでなく、学校を取り巻く様々な専門家や地域住民とも連携しながら、学校の教育活動をより多面的に進め、子どもの発達を保障しようとするものです。この点では、コミュニティスクールとも連動しています。

 大会1日目(7月15日)では、「専門職が少ない地域で『チーム学校』をどうつくるか」をテーマにしたシンポジウムを行います。都会と違って地方では専門職は限られています。そのような中で様々な課題を抱える子ども達を学校と地域全体で支えていく観点と方法をとらえていきます。

 大会2日目(7月16日)では、「地域でのチーム学校をどうつくるか」をテーマにした課題研究を行います。ここでは社会教育的な視点と学校のコーディネート力を活かしながら、地域の様々な人たちと連携して教育活動を豊かにしていく観点と方法をとらえていきます。

 さらに7月16日午後には、庄井良信先生(北海道教育大学教授)の講演会を行います。様々な教育課題に学校が直面する中で、その向き合い方や対応方法なども幅広くお話し頂きます。

 道東は、過疎地が多く、学校全体も小規模校化していますが、このような中で改めて「チーム学校」を核にした取り組みも進んでいます。今回の大会テーマはこの新しい挑戦的な課題である「チーム学校」に取り組んでいる学校と地域を紹介しながら、次世代の学校のあり方を考えていきたいと思います。

 この機会に、釧路におこし頂き、「チーム学校」の新しい課題を一緒に考えてみませんか。釧路管内はもとより、広く北海道内の学校関係者・地域教育関係者の皆様のお越しをお待ち申し上げます。